しくじりの概要
ブルーベリー栽培を始めたばかりの頃、私は動画サイトでブルーベリー関連の情報ばかりを見ていた。当時の私は「動画で言っていることは全部正しい」「ブルーベリーは切って切って切られまくる植物」と思い込んでいた。おそらく脳内のどこかで思考回路がバグっていたのだろう。動画上では「買った苗木は必ず剪定してから植え付けるべき」という情報が大量に流れており、私はその言葉を一切疑わず、自分のかわいい苗木たちにも当然のように実行していた。
交差枝、内向枝、小さい頃の花芽はすべて切り落とし、寒冷期の枝だけの苗木はもちろん、葉が展開し始めた苗木まで、植え付け前に徹底的に剪定した。今思えば、苗木のほうが「おい園主、やめろや!これは働ける葉だぞ!痩せっぽちになってまうよ!」とツッコミを入れてきそうなほどの暴走ぶりだった。もし当時“ブルーベリー剪定協会”なるものが存在していたら、私は間違いなく入会し、しかも初日に張り切りすぎて空回りして退会させられていたと思う。
このしくじりがブルーベリーに及ぼした影響
ある時ふと気がついた。寒冷期に剪定した苗木はよく育つのに対し、成長が始まってから剪定して植え付けた苗木は明らかに育ちが悪かったのである。中には、しばらくして枯れてしまう苗木すらあった。私はそこで初めて「もしかして俺、ブルーベリーの敵なのでは?」と軽く自分を疑った。
その後、ブルーベリー栽培を徹底的に学んだ私は、根拠のない“栽培動画真似っ子カッコつけ剪定”がむしろ苗木を苦しめる行為であることに気がついた。
光合成に必須の葉、樹に養分を蓄える枝、これらを植え付け前に過剰に切り落とすことで樹の体力は大きく削られる。例えるなら、植え付け前に苗木が42.195キロを全力疾走し、ゼーゼーハーハーゲッホンゲッホン体力スッカラカン赤マーク点滅の状態で植え付けることになってしまうのである。
その結果、植え付け後に襲いかかる暑さ・湿度・乾燥に耐えきれず、弱り、育ちが悪くなり、最悪枯れる危険性が高まる。ブルーベリー先輩、あの頃は本当にすみませんでした。あなたの体力を私が勝手に削っていました。
動画上でプロがやってる剪定は、プロが長年の経験から導き出した経験則に基づいてるものであり、初心者が真似して同じようにできるものではない。
ではどうしたらよかったのか
今思えば、無根拠な成長期剪定という発想自体が間違いだった。ブルーベリーは葉で光合成を行い、枝に養分を蓄え、根が動き始めるタイミングで成長を加速させる。つまり、植え付け前に枝葉を切るという行為は、スタートラインに立つ前に足を折るようなものだった。
ただし、成長期の剪定がすべて悪いわけではない。植え付けの際に根鉢を軽く崩した結果、上部の枝葉の量と根の吸水能力の整合性が取れなくなる場合がある。そうした状況では、背丈を少し縮めて、崩れた根鉢が持つ吸水能力に見合うサイズに調整することは理にかなっている。つまり、成長期の剪定は「根鉢の状態と樹体のバランスを整える」という明確な根拠がある場合に限り、必要な処置となり得る。
しかし、動画サイトでよく見かける「このほうがプロっぽくてカッコいい」「植え付け前にとりあえず切る」という無根拠な剪定は論外である。必要な理由がある剪定と、見た目だけの剪定はまったく別物であり、混同してはいけない。私はそれを知らず、元気な苗木を自ら弱らせていた。苗木のほうが「園主、頼むから理由を持って切ってくれ」と言っていたに違いない。
結論
買った苗木は、成長期に無根拠で剪定してから植え付けてはいけない。葉は光合成の要であり、枝は養分の貯蔵庫であり、苗木の体力そのものだからだ。動画の情報を鵜呑みにするのは禁忌であり、ブルーベリーの生理を理解することが生命線となる。カッコつけて切り刻んだ苗木を即座に元に戻す対処法は存在しない。初心者はまず「植えるだけ」が正解である。
初心者にとって、剪定は鬼門である。とりあえず植えてみて、うまく育ってきた段階でチビチビ始めてみる。「初心者はもったいないから切るのをためらいがち」などと半ばバカにされるように言われるが、私はそれでいいと思う。
少しずつ切れるようになり、自然と覚えていく。
最後にひと言、あの頃の私へ──切るな、植えろ、そして深呼吸して少し落ち着け!そしてごめんね、ブルージェイ!今では元気!よかった!
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