質問:ブルーベリーの葉の側面に、等間隔で雨粒のような液体が付いていました。舐めてみると甘かったのですが、この液体は何ですか?舐めても害はありませんか?
育てているブルーベリーの葉を見ると、葉の側面に小さな雨粒のような液体が、等間隔に並んでいることがあります。
雨が降ったわけでもないのに粒が付いているため、不思議に思って舐めてみたところ、結構甘い味がしました。
これはブルーベリー自身が出した蜜なのでしょうか。
それとも、アブラムシなどの害虫が出したものなのでしょうか。
ブルーベリーが出した液体であれば、そのまま舐めても害はないのか気になります。
回答
ブルーベリーの葉の側面に等間隔で並んでいる液体は、溢泌(いっぴつ)によって出た液である可能性があります。
溢泌液には糖質などが含まれることがあるため、甘く感じても不思議ではありません。
ただし、害虫の排泄物や農薬、葉面の汚れなどが混じっている可能性もあるため、舐めることはおすすめしません。
回答の理由
ブルーベリーの根は、用土から絶えず水分を吸収しています。
夜間から早朝にかけて用土の水分が多く、葉から失われる水分が少ない状態になると、根から吸収された水によって植物体内に圧力が生じることがあります。
主にこの圧力によって押し上げられた液体が、葉の側面や先端にある水孔(すいこう)と呼ばれる出口から、水滴となって出てくる現象が溢泌です。
水孔は葉脈の末端付近につながっているため、液滴が葉の側面へ等間隔に並んでいるように見えることがあります。
雨粒のような液が出る「溢泌」とは
溢泌は、ブルーベリーが異常を起こして水を漏らしている現象ではありません。
根から吸収される水分量と、葉から失われる水分量の関係によって起こる生理現象です。
十分な水やりをした翌朝や、雨が降った翌朝、湿度が高く葉から水分が失われにくい時間帯などに見つけやすくなります。
日中になって気温が上がると、葉から水分が失われる蒸散(じょうさん)が活発になり、液滴も乾いたり見えなくなったりします。
早朝に多く見られ、葉の側面や先端へ規則的に並んでいるのであれば、溢泌によって出た液体である可能性が高いと思われます。
なぜ水滴なのに甘く感じるのか
溢泌液は、雨水や水道水のような純粋な水ではありません。
植物体内を通ってきた液体であり、糖質やタンパク質などが含まれることがあります。
そのため、溢泌液を舐めたときに甘味を感じること自体は不自然ではありません。
ブルーベリーの溢泌液は、ハチやハエ、寄生バチなどの昆虫が栄養源として利用することもあります。
ただし、溢泌液は人間に舐めてもらうために作られた蜜ではありませんので、蜜のように甘く感じることはあっても、花や花以外の蜜腺から分泌される一般的な意味での蜜とは出てくる仕組みが異なります。
甘い液体だからといって、溢泌液とは限らない
ブルーベリーの葉に付いている甘い液体には、アブラムシやカイガラムシなどが出す甘露(かんろ)が混じっている可能性もあります。
甘露とは、植物の汁を吸った害虫が排出する、糖分を含んだべたつきのある液体です。
溢泌液は、葉の側面や先端など、決まった位置から粒状に出やすい特徴があります。
一方、害虫の甘露は、害虫がいる場所や、その下側にある葉へ不規則に付着することが多く、葉面が広くべたつく場合もあります。
葉の裏側、新梢、葉柄、枝の付け根などに、アブラムシやカイガラムシが付いていないか確認してみてください。
ただし、液滴が等間隔に並んでいるから必ず溢泌液、べたついているから必ず甘露と、見た目だけで完全に判別できるものではありません。
ブルーベリーが出した液でも舐めない方がよい
溢泌液そのものに糖質などが含まれ、甘く感じられることはあります。
しかし、葉の上にある液滴が、溢泌液だけでできているとは限りません。
葉の表面には、土ぼこり、微生物、昆虫の排泄物などが付着している可能性があります。
農薬や活力剤などを使用している場合には、葉面に残っていた成分が液滴へ混じることも考えられます。
また、使用した農薬の種類によっては、植物体内へ吸収された成分が移動する可能性もあります。
そのため、「ブルーベリー自身が出した液だから安全」「甘いから蜜と同じ」と考えて、味見を続けるのは避けた方がよいでしょう。
液滴の正体を確かめるときは、舐めるのではなく、液滴が出ている位置、時間帯、並び方、害虫の有無を観察してください。
溢泌が起きたからといって、必ず過湿とは限らない
溢泌は、用土の水分が十分にあり、夜間から早朝にかけて葉から失われる水分が少ないときに起こりやすい現象です。
しかし、溢泌液が出ているという理由だけで、直ちに根腐れや過湿だと判断する必要はありません。
葉の色や張りが正常で、新梢も順調に伸び、鉢底から水がきちんと抜けているのであれば、ブルーベリーが水分を吸収している途中で見られた生理現象と考えられます。
一方で、用土が何日も乾かない、葉がしおれている、根鉢から異臭がするなどの不調が同時に見られる場合には、溢泌とは別に水やりや排水性を確認してください。
補足
ブルーベリーの葉の側面へ等間隔に並ぶ雨粒のような液体は、主に根から押し上げられた液体が、水孔から出てきた溢泌液である可能性があります。
その液には糖質などが含まれる場合があるため、舐めたときに甘味を感じること自体は不自然ではありません。
ただし、見た目だけで液滴の正体を完全に判断することはできません。
害虫の甘露や、葉面に付いていた汚れ、農薬などが混じっている可能性もあるため、舐めて確認することは避けてください。
すでに少量を舐めてしまった場合には、口の中に残っているものを出して、口をよくすすいでください。
農薬を使用した直後だった場合や、口や喉の違和感、吐き気などの異常を感じた場合には、使用した農薬や資材の名称を確認し、医療機関または中毒に関する相談窓口へ相談してください。
溢泌は、ブルーベリーの根が水を吸収し、その水分が植物体内を移動している様子を、目で確認できる興味深い生理現象です。
次に見つけたときは、味ではなく、液滴が並んでいる場所や現れた時間帯を観察してみてください。
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