質問:ブルーベリーを鉢増ししようとしたら、古い用土や根鉢の周囲からハサミムシ、ヤスデ、ミミズが出てきました。新しい鉢へ一緒に入れてもよいのでしょうか?
ブルーベリーを鉢から抜いて鉢増ししようとしたところ、古い用土や根鉢の周囲から、ハサミムシ、ヤスデ、ミミズが出てきました。
鉢の中にいたということは、ブルーベリーの根や用土にとって何らかの役割があるのかもしれませんが、反対に根を食べたり、新しい鉢の中で増えたりしないか心配です。
鉢増し作業中に見つけた場合、そのまま新しい鉢へ移してもよいのでしょうか。
それとも、ブルーベリーへの実害が確認できなくても、見つけた個体は取り除いた方がよいのでしょうか。
回答
鉢増し作業中にハサミムシ、ヤスデ、ミミズが出てきた場合は、見つけた個体を取り除いて構いません。
これらの生き物が必ずブルーベリーへ危害を加えていたとは限りませんが、限られた鉢内へ積極的に残さなければならない生き物でもありません。
ただし、生き物を一匹残らず探そうとして、完成した根鉢を崩したり、根を傷めたりしてはいけません。作業中に自然と出てきた個体だけを取り除けば十分です。
回答の理由
ハサミムシ、ヤスデ、ミミズは、見た目も食性も生態も異なります。
ハサミムシは雑食性であり、ヤスデは主に分解途中の有機物を利用し、ミミズは用土や有機物を取り込みながら生活しています。
そのため、根鉢から出てきたという理由だけで、すべてを根の害虫と判断することはできません。
実際には、根を食べるためではなく、湿度、暗さ、分解途中の有機物などを求めて、鉢内や根鉢の周囲へ入り込んでいた可能性があります。
一方で、ブルーベリーの鉢は、地植えとは異なる限られた根域です。
鉢増しで新しい根域環境を整えるのであれば、正体や今後の影響が明確でない生き物まで、意図的に新しい鉢へ引き継ぐ必要はありません。
したがって、鉢増し中に見つけた個体を取り除く判断には、栽培上の大きな問題はありません。
ハサミムシは、必ずしも根を食べていたわけではない
ハサミムシは暗く湿った場所を好むため、マルチング材の内部、根鉢と鉢の隙間、鉢底付近などへ入り込むことがあります。
小さな虫や傷んだ植物質を利用する一方で、柔らかい葉、花、果実などを食べる場合もある雑食性の生き物です。
そのため、ハサミムシが根鉢から出てきたからといって、ブルーベリーの根を食べていたと決めつけることはできません。
単に、昼間の隠れ場所として根鉢周辺を利用していた可能性もあります。
しかし、ハサミムシを新しい鉢へ積極的に残す必要もありません。
新梢や花、果実への食害につながる可能性を完全には否定できないため、鉢増し中に見つけた個体は、根鉢から取り出して園地の外側へ移して構いません。
ヤスデは分解者だが、鉢内へ残す必要まではない
ヤスデは、主に枯れ葉や腐植、分解途中の有機物を利用する生き物です。
有機物マルチを施した鉢では、分解途中の植物片や湿度の高い隠れ場所があるため、ヤスデが入り込むことがあります。
少数のヤスデが見つかっただけで、健全なブルーベリーの根を積極的に食べていたとは判断できません。
すでに傷んだ植物組織や、用土中の有機物を利用していた可能性もあります。
ただし、ヤスデは種類や環境条件によって、柔らかい根や傷んだ植物組織を利用する場合があります。
限られた鉢内で、その可能性をあえて残す必要はありません。鉢増し作業中に見つけた個体は、新しい鉢へ移さずに取り除いてよいでしょう。
また、ヤスデが多数出てきた場合には、直ちに根鉢全体が過湿だったと断定するのではなく、古いマルチに分解物が蓄積していなかったか、鉢底と地面の間が常に湿っていなかったか、鉢の排水や通気が悪化していなかったかを確認してください。
ヤスデの存在自体を問題視するだけでなく、ヤスデが集まりやすい環境ができていなかったかを見直すことが重要です。
ミミズは一般的に根を食べる害虫ではない
一般的なミミズは、健全なブルーベリーの根を積極的に食べる害虫ではありません。
用土とともに有機物や微生物を取り込み、用土中を移動しながら生活しています。
そのため、鉢の中にミミズがいたからといって、根を食べられていると判断する必要はありません。
ミミズが一匹いたことと、ブルーベリーの不調を直ちに結び付けるのも適切ではありません。
一方で、ブルーベリーの鉢は、容積が限られた特殊な根域です。
地植え土壌で語られるミミズの働きが、そのまま酸性有機質用土を使った鉢栽培でも必要になるとは限りません。
ミミズがいなければブルーベリーが困るわけではなく、栽培者が意図的に鉢へ入れて増やす必要もありません。
したがって、鉢増し中にミミズが出てきた場合は、根を食べていた害虫とは決めつけず、それでも新しい鉢へは移さず、取り除くという対応で問題ありません。
取り除くことと、害虫認定することは別の話
今回の結論は、ハサミムシ、ヤスデ、ミミズがすべてブルーベリーへ危害を加えるという意味ではありません。
鉢増しの際に取り除くことと、その生き物を害虫と断定することは別の話です。
根鉢から出てきた生き物が、実際には有機物を利用していただけという場合もあります。
一方で、新しい鉢へ一緒に移した場合、その後どのような影響が出るかを正確に予測することは難しくなります。
新しい鉢へ残して得られる明確な利益がなく、取り除くことでブルーベリーが困るわけでもないのであれば、鉢増し中に見つけた個体を取り除く方が、管理上は単純で安全です。
一匹残らず探すために根鉢を崩してはいけない
ここで最も注意してほしいのは、生き物を取り除くことよりも、根鉢を守ることです。
ハサミムシやヤスデ、ミミズを探すために、完成した根鉢を細かく崩したり、用土をかき出したりすると、ブルーベリーの細根を傷めてしまいます。
ブルーベリーにとって、根鉢内の細根は吸水と養分吸収を担う重要な器官です。
害があるかどうかも分からない生き物を探すために、その細根を切断してしまっては本末転倒です。
鉢から抜いた際に表面へ出てきた個体、根鉢と鉢の隙間にいた個体、古いマルチの中から出てきた個体だけを取り除けば十分です。
根鉢内部に残っている可能性を考えても、それを探すために根を傷める必要はありません。
多数出てきた場合は古い鉢の環境も確認する
一匹、二匹ではなく、鉢を抜いた瞬間に多数のハサミムシやヤスデが出てきた場合には、生き物だけを取り除いて終わりにせず、古い鉢の環境も確認してください。
ただし、多数いたからといって、根鉢内部が必ず過湿だったとは限りません。
鉢底と地面の間、根鉢と鉢壁の隙間、マルチ内部など、暗く湿った部分だけを隠れ場所として利用していた可能性もあります。
古いマルチが過度に厚くなっていなかったか、分解物が大量に蓄積していなかったか、鉢底穴が塞がれていなかったか、根鉢から異臭がしないかを確認します。
新しい鉢へ移す際には、傷んだマルチや過剰な分解物を取り除き、排水性と通気性を確保した根域へ整え直すことが大切です。
補足
鉢増し中にハサミムシ、ヤスデ、ミミズが出てきた場合、ブルーベリーへの実害を証明できなくても、見つけた個体を取り除いて構いません。
これらの生き物は、鉢内へ必ず残さなければならない存在ではなく、取り除いたことでブルーベリーが不調になるものでもありません。
ただし、取り除く対象は、鉢増し作業中に自然と見つかった個体だけです。
一匹残らず探そうとして根鉢を崩し、細根を傷める行為の方が、ブルーベリーにとって明確な不利益になります。
鉢増し中に見つけた個体は取り除く。しかし、生き物を探すために根鉢までは崩さない。
この方針であれば、生き物を新しい鉢へ意図的に持ち込まず、同時にブルーベリーの根も守ることができます。

